ヒトパピローマワクチンは子宮がん(頸がん)の原因になる要素の1つです。このウイルスへの感染状態が長引くと、子宮頸部の細胞組織に異形成を引き起こし、最終的に子宮がん(頸がん)の発症に至ると言われています。このウイルスに対する抗体ができるワクチンの摂取は、海外では既にオーストラリアなど95カ国で開始されています。
原因ウイルスは男性も保有する恐れがあるので、子宮がん自体は女性特有の疾患ですが、男性もこのワクチン接種を受けることが可能です。もしこのワクチン接種が、すべての国のすべての女性に対して摂取が義務付けられる程浸透すれば、そう遠くない将来には、子宮がん(頸がん)は消滅する、とWHOは試算しているそうです。
これまで日本では、そんなワクチンの摂取は行われていませんでした。けれど、子宮がんを原因としる死亡者が増加傾向にある現状などを考慮し、「サーバリックス」と呼ばれる子宮頸がん予防に有効なワクチンの製造販売が2009年になって国内で認可され、年内には販売開始する予定です。ヒトパピローマウイルスの中の2つのタイプのウイルスに関して、サーバリックスによって感染を予防することができます。
子宮頸がんの感染ルートは主に性行為ですから、予防効果は男性経験を持たないうちに摂取する方が高くなるとされ、10歳から摂取対象の年齢になります。摂取開始の見通しはつきましたが、課題として残されたのは、摂取費用の問題です。
ワクチンは3回摂取する必要がありますが、自費の場合3万円以上と高額になり、この問題に関してはまだ取り決めは行われていません。公費負担で摂取を実施している海外では、摂取率が90%を上回る国もありますから、日本も早急な対応に迫られています。