ヒトパピローマウイルス(HPV)は子宮がん(頚がん)の原因となりますが、ウイルスとしてはありふれていて、男性経験を持つ女性なら、約80%の割合で1度は感染することが指摘されています。子宮頸がんは扁平上皮がんと腺がんの2種類に分類されますが、扁平上皮がんの場合、ヒトパピローマウイルスに感染することから細胞が異形成を開始し、最終的にがん化すると考えられています。
300種類以上の型に分かれるヒトパピローマウイルスですが、大別すると尖圭コンジローマと深い関係のあるローリスク型、そして子宮頸部の前がん病変(高度の異形成)や子宮頸がんの組織で発見されるハイリスク型の2種類に分かれます。その中で、ごく一部のハイリスク型が子宮頸がんの原因になるそうです。
ただし、たとえハイリスク型のヒトパピローマウイルスに感染しても、100%の確率で子宮がんを発症するとは限らず、免疫力が落ちたり、喫煙習慣があるといった他の要因が重なった場合に発症確率が上昇することが判明しています。
ヒトパピローマウイルスと子宮がん(頚がん)の関連性は、近年の日本産科婦人科学会による研究の結果、子宮頸がんのほぼ100%に近いケースで多数の型のヒトパピローマウイルスとの関連性が発表されています。ヒトパピローマウイルスが子宮頸部を発がんさせるメカニズムは、ウイルスとがんの持つタンパク質が同じ性質であることが要因だそうです。
人体の持つがん細胞を抑制する遺伝子と結合し、その働きを抑制してしまうので、子宮がん(頚がん)の発症率が高まるのではないか、と考えられているようです。けれどがんの発症メカニズムには以前未知な部分も少なくありませんので、現状ではすべて解明されているわけではありません。